2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

 ロレンス・ダレル 『アレキサンドリア四重奏I ジュスティーヌ』 

(高松雄一訳、河出書房新社 2007) 〔Lawrence Durrell Justine (1957)〕 異端児ダレル 僕が興味を持っている時代、つまり20世紀の半ばから後半にかけてのイギリスのことだけれども、オクスフォードかケンブリッジを卒業しているということの持つ意味は、…

 ヴォネガット語録

ヒューマニスト 彼はユーモア溢れるヒューマニスト。そして何よりも、思いやりのあるやさしい人だ。 「わたしはただ、恐ろしい苦難から抜け出られない人がたくさんいることを知っている。だから、人間が苦しみから抜け出すのはわけないと思っている連中を見…

 グレアム・グリーン 『権力と栄光』 

(斎藤数衛訳、早川書房 ハヤカワepi文庫 2004) 〔Graham Greene The Power and the Glory (1940)〕 舞台 1930年代のメキシコ。このメキシコの中でも東のはずれのほうにある、タバスコ州の田舎町を中心に『権力と栄光』のストーリーは展開する。当時のメ…

 サイモン・アーミテージ編 『ショート&スイート 101の超短編詩』

〔Simon Armitage(ed.) Short and Sweet - 101 Very Short Poems (Faber, 1999)〕 語数を減らして ジョージ・オーウェルの小説『一九八四年』の舞台はイギリスで、登場する人々は普通に耳にするような英語を話す。しかし「偉大な兄弟」が率いる全体主義政…