2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

若島正編 『棄ててきた女 アンソロジー/イギリス編』

(異色作家短編集19 早川書房2007) 作品の配膳 僕は持っていないのでわからないけど、「iPod」っていうのはきっと、どこかしらからかダウンロードした音楽を貯めこんで、持ち歩いて聴けるようにする機械なのだと思う。そして自分が好きだ、聴きたいと思った…

 富山太佳夫『文化と精読 新しい文学入門』

(名古屋大学出版会2003) 多様な解釈 先日の新聞に、こんな記事が載っていた: 「人生ゲーム」も「脱お金」 米製造元、新版発売へ 日本でも人気の「人生ゲーム」をつくる米ハズブロ社は、紙幣にかわっておもちゃのVISAカードで支払い、大金持ちになるか…

 ジョン・ベイリー 『赤い帽子』 

(高津昌宏訳、南雲堂フェニックス2007) 〔John Bayley The Red Hat 1997〕 フェルメール フェルメールの絵を実際に観たことがあるだろうか。かつてロンドンで行われた「フェルメールとデルフト派展」に行き、僕は初めて彼の作品に遭遇したのだが、そのとき…

 B.S.ジョンソン『老人ホーム――一夜のコメディ』

(青木純子訳、東京創元社2000) 〔B.S.Johnson House Mother Normal (1971)〕 耳で聴く文化 かつてまだ中学生の頃、この年頃にはありがちだけれども、僕は部屋にあったラジオを一生懸命聴くようになり、なかでもNHKFMの熱心な愛聴者になった。NHKFMというこ…