2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

 A.S.バイアット 『ゲーム』

(鈴木建三訳、河出書房新社1977) 〔A.S.Byatt The Game 1967〕 『ミドルマーチ』の存在感 ちょっと前にこのブログで紹介したとおり、僕はジョージ・エリオットの『ミドルマーチ』を読み終えた。そして続いて、『ミドルマーチ』が作品内で言及されていたヴ…

ジュリアン・バーンズ 『太陽をみつめて』

(加藤光也訳、白水社 1992) 〔Julian Barnes Staring at the Sun 1986〕 ご活躍中の方々 「イギリスの最近の男性作家で…最近って言ってもいろいろあるから…そう、戦後生まれの作家で、おススメは?って、訊かれたら誰かな」 「それって、マニアックな意味…

J.M.クッツェー『夷狄を待ちながら』

(土岐恒二訳、集英社文庫 2003) 〔J.M.Coetzee Waiting for the Barbarians 1980〕 タイトルの翻訳 今回もそうだけど、英語で書かれた小説(とくにイギリス圏のもの)を、僕は日本語で読んでいる。そして読んでみて「これはいい!」と思った本は、できるだ…

 マーガレット・ドラブル『夏の鳥かご』

(井内雄四郎訳、新潮社 1973) 〔Margaret Drabble A Summer Bird-Cage 1963〕 兄弟姉妹 『夏の鳥かご』は、1939年生まれで今年68歳になるマーガレット・ドラブルが24歳のときに出版した彼女の処女作。1963年の発表ということは、現在から四十年以上も前の…