イギリスの小説

 オルダス・ハクスリー『すばらしい新世界』

(松村達雄訳、講談社文庫1974) 〔Aldous Huxley Brave New World (1932)〕 アンチ・ユートピア小説 たしか大学二年生の頃のこと。もう十年以上も前の話だ。「英語が勉強できるからいいかも」くらいの、ほとんど気まぐれから英米文学を専攻してしまった僕…

 エリザベス・テイラーについて

復活? 前回、『家族のかたち』というアンソロージーを紹介した中で、エリザベス・テイラー(小説家)について少し書いた。今回はその続き。彼女についてもう少し。 エリザベス・テイラーの場合、名前の後ろに「(小説家)」とか「(作家)」と入れないと、…

『英語圏女性作家の描く 家族のかたち』

(佐藤宏子/川本静子訳、ミネルヴァ書房 MINERVA世界文学選、2006) 現代的視点 この本は今までの日本にはなかった、とても面白い視点のアンソロジーだと思う。面白い視点とは言っても、別に奇をてらったテーマによる編集ではない。20世紀後半の英語で書か…

 ジュリアン・バーンズ『イングランド・イングランド』 

(古草秀子訳、東京創元社2006) 〔Julian Barnes England, England (1998) 〕 ユーモア満載 2006年の年末に発売されたバーンズのユーモア小説は、期待にたがわない、とてもおもしろくて、そして読みがいのある作品だった。イギリス的なユーモアとか、イギ…